秋田県内は夏本番かのような暑い日が続いている。男鹿市の寺ではアジサイが見頃を迎え、多くの人を魅了している。気象の影響で生育が心配されたが、関係者の努力が実り、美しく咲きそろった。
佐藤愛純アナウンサー:
「アジサイ寺として知られる男鹿市の雲昌寺。ことしもアジサイが咲いた。きょうは天気が良く、青空・海・アジサイの青の世界が広がっている」
深い青に色づいたアジサイ。男鹿市の雲昌寺の副住職・古仲宗雲さんが、20年ほど前から株分けや挿し木をして増やしてきた約2000株は、先週末に一気に花開き、見頃を迎えている。
「梅雨の時期」を彩るアジサイだが、2024年は例年にないほど気象に振り回された。
古仲さんは「去年の猛暑と雨の少なさで、例年よりは花数が少ない」と話す。
写真スポットから見ると、左側の日陰になるところは、境内の木々に守られて花の付きは例年通りとなっている。しかし、日が当たっている右側の花はほとんど咲いていない。
2023年9月に撮影されたアジサイをみると、葉が落ち、茎は茶色くなっている。栄養を蓄える時期に高温・乾燥状態が続き、株が十分に成長できなかったと推測されている。花の付きは例年の半分ほどだ。
雲昌寺 副住職・古仲宗雲さん:
「とにかく水やりを朝・夕・夜中まで、日をまたぐこともあった。よく生きてくれたという感じ。本当に想像もできないくらいの異常な天気だったので、そんな中を生き延びて咲いた花は、本当に私にとっては愛しい」
記録的な気象を乗り越えたアジサイは、多くの人を魅了していた。
東京から訪れた人:
「初めて見たけど、花が少ないと言っている割にはすごくきれいなんじゃないですか。すごくきれい、青の世界で」
山形から訪れた人:
「急きょ、きのうの夜、ご飯を食べていて『行きたい』と言い出した。SNSをフォローしているので、急に色づいたと聞いて『あ、もうあした行こう!」となって、来られて良かった。頑張って咲いていて、感動した」
境内のカフェでは「あじさいブルーソーダ」が楽しめる。涼しげなドリンクをお供に散策してはいかがだろうか。
雲昌寺 副住職・古仲宗雲さん:
「あの天気を乗り越えて咲いたアジサイは強いなと。人の生き方にも見習うべき点があるかなと思う。花数は少ないが、120年さかのぼってもないくらいの異常気象を乗り越えた花なので、命の奇跡・はかなさ・強さ、一期一会の素晴らしさを感じてほしい」
雲昌寺のアジサイは、7月中旬まで楽しめそうだ。