秋田県由利本荘市と大仙市で25日、市内を流れる石沢川と子吉川など4つの河川が氾濫した。由利本荘市は警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」を出し、県は「災害救助法」の適用を決めた。
24日のにかほ市の映像では、水が住宅に向かって勢いよく流れ、ガードレールがのみ込まれてしまっている。
梅雨前線や暖かく湿った空気の影響で、県内では24日から非常に激しい雨が降り続き、25日午後4時までに観測した24時間雨量は、由利本荘市東由利で238.5ミリ、東成瀬村が181.5ミリなど、3つの観測地点で観測史上最大を記録した。
下司七虹記者:
「由利本荘市の鮎瀬橋です。堤防が決壊し、川の水が入り込んでいるのが確認できます」
大雨の影響で、由利本荘市内を流れる石沢川の堤防が決壊し氾濫した。石沢川流域に住む男性は「これ自分の田んぼなんだ。泣きたくなるな」と浸水被害を受けた田んぼを見つめ、肩を落とした。
また、午後2時ごろには由利本荘市を流れる子吉川も氾濫した。県内では、子吉川と石沢川に加え、由利本荘市の西目川と大仙市の上総川の合わせて4つの河川が氾濫した。
浸水などの恐れがあるとして、由利本荘市は午後6時までに、本荘地域と由利地域の1251世帯3326人に、大雨警戒レベルで最も高いレベル5の「緊急安全確保」を出した。
また、横手市雄物川町の国道107号線では土砂崩れが発生し、由利本荘市鳥田目までの約23kmにわたって全面通行止めとなっている。(25日午後6時現在)
さらに、にかほ市両前寺では24日夜、川の斜面が崩れ、近くにいた消防団員の男性が軽いけがをした。
こうした状況を受け、県は25日午前9時半に災害対策本部を設置した。佐竹知事は「今回の災害について様々な状況を鑑み、内閣府と調整ができたので、災害救助法の発令を適用する」と述べ、午後3時に災害救助法の適用を決めた。対象は、由利本荘市、にかほ市など9市町村で、避難所の設置や被害の程度によっては、住宅の応急修理など費用の一部を国や県が負担することになる。
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