「能登半島地震からの復旧はややスピードが遅い」現地調査を行った高知大学の地震のスペシャリストが復興の遅れを指摘しました。
高知大学・原忠教授:「発災した時からほとんど状況が変わっていない」
6月11日、高知大学の原忠教授率いる能登半島地震の調査団による報告会が開かれました。
今回は1月に続く2度目の現地調査で、4月19日から3日間、特に揺れの大きかった
石川県の輪島市・珠洲市・穴水町などを訪問。地震発生からおよそ3カ月が経過した復旧状況を調べました。
原教授は道路の地割れが直っていないため、必要な機材が被災地に届かず復旧が遅れていると指摘しました。
一方で、土木技術が生かされた例として、鉄の板を使った護岸工事を紹介。板を打ち込んだ川岸は液状化現象の大きな影響を受けませんでしたが、対策がなかった方は岸が崩壊していました。
県内での護岸工事が機能する可能性があると話し、事前対策の重要性を訴えていました。
報告会を聞いた西日本高速道路の職員:
「道路構造物もかなり被災しているようでしたので、いかに備えるかを我々としても考えていかないといけないと強く思った」
高知大学原忠教授:
「今までの地震に比べてやや(復旧が)遅延している。特に生活面でお困りの場合が見られた。復興住宅・がれきの除去いろんな意味でややスピードが遅い」
原教授は迅速な避難と街の復興には、家屋のほか道路や橋などの耐震化など、事前対策が重要と呼びかけていました。