3月18日、静岡県庁で現職の県議会議員による「くじ引き」が行われました。決めたのは自分の所属する選挙区です。
2024年から7区の行政区を再編し、3区へ移行した浜松市。ただ、人口規模を見てみると、中央区が60万7000人、浜名区が15万5000人、天竜区は2万5000人とかなり偏りがあることがわかります。
人口の少ない天竜区は単独の選挙区を維持できず、住民からは「意見を吸い上げるような地元議員がいなくなるのでは」と不安の声が聞こえます。
「それではこれからくじをはじめます」
静岡県庁に集まったのは、浜松市を地盤とする4人の県議です。目的はくじ引き。1人だけ、自分の選挙区を変更しなければいけません。
浜松市の行政区再編をめぐっては、県議会議員の選挙区を変更する条例が可決され、人口規模に合わせて「定数12の中央区単独」と「定数3の浜名区・天竜区を合わせた選挙区」の2つに変更されました。
現職の県議15人のうち、中央区に11人、浜名区・天竜区には4人が住んでいて、定数に合わせて1人だけ選挙区を変更する必要があります。
<天竜区選出 中谷多加二県議>
「中央区!」
<周囲の人たち>
「おおー」
天竜区選出で8期目の中谷多加二県議が中央区選挙区に所属を変更することになりました。
<天竜区選出 中谷多加二県議>
「与えられた任期はあと3年なので、その間は一生懸命自分で頑張る」
所属選挙区の変更は、補欠選挙に備えた暫定的なもの。中谷県議の地盤は変わることはなく、行政サービスへの影響もありませんが、天竜区選出議員は現在、中谷議員のみ。今後の選挙への懸念は尽きません。
<天竜区選出 中谷多加二県議>
「今後浜名区とかより南の方が(定数いっぱいの)3人当選されてということになると、果たしてこの天竜の面倒を見てもらえるかなというような、本当に心配」
特に不安視するのが災害対応。山に囲まれ、災害も起こりやすい天竜区で土地勘のある県議の存在は、復旧復興などに大きく影響します。
<天竜区選出 中谷多加二県議>
「行動に移るまでの時間が、やっぱり地元の人間だと早い」
地元住民も…。
<天竜区民(60代)>
「生活の基盤となることを県に対してモノが言える、住民の意見を吸い上げるようなことができる人が出なくなるのではと不安に思います」
選挙区の変更が住民を取り残すことにならないよう、県議会でも定数の割り振りを含めて、次の選挙のあり方を検討する予定です。
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