鹿沼市を拠点に活動した全盲の画家 鈴木敏之さんの作品を集めた回顧展が、宇都宮市内のギャラリーで開かれています。
この絵画展は鈴木敏之さんが残した油絵や水彩画などおよそ100点のなかから24点が展示されています。
鈴木さんは幼少期、はしかにかかり左目を失明すると、21歳のときに今度は結核を患い右目も失明してしまいます。それでも画家の夢を諦め切れない鈴木さんは、粘土を使ってデッサンを行い、それをなぞるように指で絵の具を乗せていく独自の画法を生み出し多くの作品を残しました。
作品を間近で見ると粘土や絵の具の凹凸が見てとれます。
3回目となった今回の絵画展では、鈴木さんが失明する前に描いた水彩画の「紫陽花」など2つの作品もお披露目されました。鈴木さんの失明前の作品はこの2点限りであとはすべて空襲で焼失したということです。
さらに、全盲の画家として活動する前に詠んだ鈴木さんの俳句を、縁ある茨城県の書家 鈴木明窓さんが書にした作品22点も展示されていてます。
この絵画展は宇都宮市のギャラリーアートライブラリーで11月22日まで開かれています。