派閥の裏金事件を受けた改正政治資金規正法が19日成立し、21日、事実上国会が閉幕しました。福岡を地盤とする国会議員の間でもこの改正法に対する評価が分かれています。
◆福岡選出の国会議員に聞いた政治資金規正法改正
宮内秀樹衆議院議員(自民)「かなり厳しい国会であったと思います」
城井崇衆議院議員(立憲)「やったふりの改革案と言わざるをえない」
山本剛正衆議院議員(維新)「自民党さんに全くやる気がないというか」
緒方林太郎衆議院議員(無所属)「政治家が襟を正して身を律していくことしかないと感じました」
福岡選出の議員の中でも厳しい意見が相次いだ政治資金規正法の改正。
具体策については多くが検討事項として残り、抜け穴だらけのザル法とも指摘されていた中、19日、自民、公明の与党の賛成多数で可決・成立しました。
派閥のパーティー券のいわゆるキックバック収入を政治資金収支報告書に記載していなかった福岡4区選出の宮内秀樹議員は・・・・・
宮内秀樹衆議院議員(自民)「政治不信を作った側でありますから反省をし、そして新しい政治資金規正法にしっかりのっとって国民の皆様方に不信を招かないようにしっかりやっていきたい」
与党・公明党の議員からは異例の注文が突きつけられました。
秋野公造参議院議員(公明)「やっぱり自民党の動きは遅かったと言わざるをえない」「ザル法にならないように施行までの準備をきちんと行うというのが重要だと思います」
改正法では、パーティー券の購入者の公開基準を今の20万円超から5万円超に引き下げるなどしましたが、政党から個人に支給される「政策活動費」は「10年後に領収書などを公開する」としたものの公開方法などは決まっていません。
自民党の麻生副総裁は6月8日の県連大会でこれまで支えてきた岸田総理の方針をけん制していました。
麻生太郎自民党副総裁「政治資金の透明性を図ることは当然ですが、同時に我々は将来禍根を残すことになるような改革は断固避けねばならない」
衆議院では改正案に賛成した日本維新の会は、国会議員に支給される月100万円の「旧文通費」の改革をめぐって「党首会談の約束が反故にされた」などとして参議院では反対に転じました。
山本剛正衆議院議員(維新)「文通費はある意味原資は税金で領収書も出さなくていいというのは裏金とはっきり言って変わりませんから」「本当に改革するのであれば全員が公開をすればいいと思うし、それができないということは後ろめたい気持ちがあるのか。それがないといい暮らしができないからとか、そういったことがあるのかなと思ってしまう」
補選などで勝利して勢いづく立憲民主党の議員は岸田総理に対し「国民は全く納得していない」と厳しく批判しています。
城井崇衆議院議員(立憲)「2億円も集めている人(岸田総理)がそのお金がないとやっていけないという言い方ではとても理解は国民にはされないと思います」「勘違いしている国会議員は国会から退場していただきたいということは強く申しあげたいと思います」
共産党も自民党批判を強めています。
田村貴昭衆議院議員(共産)「裏金を見抜かれないようにしていくという魂胆がありありと(見える)いう自民党の提案でしたね」「裏金議員さよなら自民党政治さよならと。何よりも世論が怒っていますよねこの声に応えたい」
一方、野党の改正案をめぐる議論について「本気で取り組んでいたか疑問が残る」と指摘するのが無所属の緒方林太郎議員です。
緒方林太郎衆議院議員(無所属)「パーティー辞めましょうと言っている政党の幹部が政治資金パーティーやっていますって冗談ですよねこれは。政策活動費についても少なくとも令和4年までは立憲民主党も日本維新の会も国民民主も支出があるわけですよね」「野党の側も少し足元を見られていたんじゃないかなという感じがいたします」
立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案は20日、与党の反対多数で否決され、21日に事実上、国会が閉幕しました。
植高貴寛記者「法律は改正されましたが政治とカネをめぐる問題について疑問の声が続いていました。福岡選出の議員はこれから地元に戻ってどう説明していくのでしょうか?」
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