シャープは、生き物の特徴をまねる「生物模倣」の技術を取り入れた家電製品の開発に力を入れている。例えば洗濯機では、マンタが餌だけを口の中に残す仕組みをフィルターに採用して糸くずを集めやすくした。今まではこうした技術を製品の一部に使うだけだったが、ヒットの兆しがあると判断。生物模倣を全面的に押し出す商品開発に乗り出しており、第1弾としてフクロウの羽ばたきにヒントを得た送風機を年内に量産化することを目指す。やわらかくて自然な風をつくることができるといい、価格は未定ながら5万円以下を見込んでいる。家電市場の停滞でシャープの業績は低迷しているため、生物模倣の技術に活路を見いだそうとしている。