大量の傘に水筒、さらには車イスまで。名古屋の私鉄大手、名古屋鉄道の「忘れ物倉庫」に持ち込まれる忘れ物の数は、コロナ禍で一旦減っていたものの再び増加。2023年度は約18万点にまで増えています。そんな忘れ物を、生成AIで管理する取り組みが始まりました。その実力を探ります。
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▼内容
■スマートフォンなどの忘れ物が増えている
名古屋鉄道資材課 中嶌英昭さん:
「最近はスマートフォンやモバイルバッテリー、イヤホン。そうした電子機器の忘れ物が増えています」
これだけ大量の忘れ物は管理するのも大変。コストもかかります。そこで、忘れ物を撮影するだけで、色や特徴などを生成AIが自動で分類してくれるシステムを開発しました。生成AIを利用すれば、約5秒で分類完了。手入力の半分の時間で済みました。
■AIが自動で対応してくれるチャットサービスも
さらに忘れ物の特徴や落とした日時などを入力すると、AIが自動で対応してくれるチャットサービスも。女性は、家族が傘を電車に忘れたようで、チャットサービスで見つけることができました。
忘れ物を取りに来た女性:
「チャットみたいな感じで娘がやり取りをしました」
忘れた傘の色や特徴などを入力すると「該当あり」との回答がありました。表示された連絡先に問い合わせ、無事、傘を受け取ることができたのです。
「ホッとしました。新品でまだ使っていなかったので、『あってよかったね』って」
社内のDXを進めるため、名古屋鉄道では2023年7月、DX推進ワーキンググループをつくりました。メンバーは社員12人。普段の業務はそれぞれバラバラで、社内の公募で集まりました。
通常業務は電車の乗務員である杉浦雄介さんは、介助が必要な乗客の情報を一括管理し、効果的に支援するシステムをつくりました。
名古屋鉄道 杉浦雄介さん:
「なかなかアプリが起動しなかったり、うまくデータが反映されなかったりととても苦労しました。何度も繰り返して『ここが違うのではないか』という部分を見つけて起動しときとてもうれしかったです」
岡原愛士さんは、駅員がいない駅に派遣係員を効率的に配置するシステムを作りました。通常は電気設備の点検の業務をしています。
名古屋鉄道 岡原愛士さん:
「プログラムを書かないといけないことがあって、勉強したことがありませんでした。(生成)AIに教えてもらい、補助してもらいつつプログラミングをしました」
名古屋鉄道では、これらの成果を2024年度中に現場に本格導入したい考えです。
日本経済新聞社 名古屋支社 石原誠樹記者:
「普段は現場で働いている方々が『この部分を改善したほうがいいのではないか』と課題を共有することによって、新たな仕組みを見いだすことができます。
また、DXに触れた人材が現場に戻ることによって、今後DXをどのように進めればよいのか、知見を共有できるのではないかなと考えています」