飛行機に鳥がぶつかることで起きる「バードストライク」。快適な空の旅を脅かしかねない被害を防ごうと鳥取空港に新たな装置が設置されました。
飛行機に鳥が衝突する「バードストライク」。機体の損傷だけではなく、飛行機の運航予定に影響が出る可能性があります。このバードストライクの被害は山陰の空港でもー。
鳥取空港ビル株式会社空港管理部 吹野英明 部長
「鳥がたくさん飛んで鳥が航空機にぶつかると、損傷したり、あるいは定期便の遅延につながったりすることが起こります」
鳥取空港では、過去10年間で160件のバードストライクの事案が発生しています。この鳥による被害を防ごうと過去には、鳥の形をした機械や、空砲で脅かすなど、音を使った対策を実施してきました。しかしー。
鳥取空港ビル株式会社空港管理部 吹野英明 部長
「車で鳥を追いかけたり、車から嫌な音を出したりというようなところで。鳥のところに職員が行かなければいけなかった」
いずれも鳥が慣れてしまい、すぐに効果が薄くなっていました。追い払っても、滑走路に戻って来てしまうといい長年の課題になっていました。そこで5月、新たに導入されたのがー。
大坪千成 記者
「滑走路のすぐ近くに来ています。あちらには鳥を近寄らせないための機械が置かれていまして、少しずつ近づいていくと『キーキー』というような嫌な音が強くなっていきます」
スピーカーで高い周波数の音を出す装置。その名も「バードソニック」です。開発に協力した岡山理科大学の辻維周 特任教授は、鳥はこの高い音を嫌うため滑走路から追い払う効果があると話します。
岡山理科大学 辻維周 特任教授
「高周波で音のバリアを作ります。 それによって、鳥が寄り付くのを防ぎます」
関西国際空港や神戸空港などのほか、山陰では萩石見空港に、設置されていて各地で効果が出てきているといいます。
岡山理科大学辻維周・特任教授
「去年の3月に設置した萩石見空港の場合は、(50羽ほどいた鳥が)1年3か月たった今では、ほとんどゼロ」
現在、鳥取空港には2台が設置されていて、鳥の生息地を滑走路からできるだけ遠ざけることが狙いだといいます。
鳥取空港ビル株式会社空港管理部 吹野英明 部長
「鳥も嫌な音を嫌がって、だんだん生息地を変えてくれるんではないかという過渡期の時期。鳥取空港がバードストライクがない空港として全国的に有名になるような効果を期待したい」
毎日5便が発着する鳥取の空の玄関口。新たな対策でバードストライクの被害を防ぎ、より安全なフライトになることが期待されています。
(2024年6月19日放送 ニュースevery日本海より)
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