2023年から自動運転の配送ロボットが公道を走れるようになりました。しかし、いまだ多くの実験が歩道上で行われています。そんななか、北海道では車道を走る実験が始まっています。
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▼内容
■自動運転の配送ロボット
北海道・石狩市に小さな移動販売車が現れました。地元コンビニ大手・セイコーマートのスタッフが菓子や飲料など100個以上の商品を積み込んだら、誰も乗らずに出発しました。
じつはこれ、自動運転の配送ロボットです。無人のまま車道を走ります。京セラの子会社・KCCS(京セラコミュニケーションシステム)が、車両の開発を進めています。
KCCS モビリティ事業企画課 村上宙也課長:
「ナンバーがついていて、車道を走ります。いま日本でやっているのは石狩市だけです」
2021年、KCCSが石狩市の協力で実証実験を始めました。日本初の自動配送ロボットが車道を走ります。歩道を走る小型はすでに実用化済み。今回は車道を走る中型の実用化に向けて、さまざまな課題を洗い出しています。
通常は時速11キロほどの大人の男性がジョギングするくらいの速さ。障害物や急な飛び出しも自動で検知して対応できます。
■移動販売に期待を寄せる
自動配送ロボットが到着したのは、サービス付き高齢者住宅です。すぐに人が集まってきました。
いまは自動配送ロボットを使ったサービスを、実用化レベルに作りこむ段階にきています。実験に参加するセコマは店に来られない高齢者が今後増えるだろうと、自動配送ロボットによる移動販売に期待を寄せています。
セコマ 渉外部 執行役員 佐々木 威知さん:
「北海道は雪が降ります。多少不便な地域に住んでいても、(普及すれば)今より買い物がしやすくなります。大雪など悪天候の克服も必要です」
この冬の走行実験では吹雪の中でも、問題なく走ることができました。
■「法律を超えた部分」AIにどう判断させる?
実験に協力するロボット工学の専門家に話を聞きました。
北海道大学 江丸 貴紀准教授:
「除雪がきれいにしてあると、決められたレーンを走れます。そうなれば、おそらく100点満点中、95点はとれます」
技術的にはすでに実用可能なレベルとのこと。ただ、このように雪で道幅が狭くなってしまうことがあります。そんなとき、道を外れてすれ違うといった融通を利かせる場面が現実社会には出てきます。
「人工知能の法律を超えたところを、どう判断させるのかが課題になります」
こうしたさまざまな課題を乗り越えるべく、経済産業省は法律や制度の整備に向けて、夏にもワーキンググループを立ち上げます。車道を走る自動配送ロボットが実用化されれば、年間1000億円以上の経済効果が期待されます。
KCCS モビリティ事業企画課 村上宙也課長:
「(今後労働人口の減少などで)人の手がどうしても届かないところが出てくると思います。そうしたところには必ずロボットが役に立つと思っています。それを信じて、社会課題に貢献することを大義にして、頑張っています」
日本経済新聞社 札幌支社 橋川咲良記者:
「こうしたロボット車両は、配送サービスだけでなく、防犯面でも期待されています。車両にはカメラを搭載して遠隔監視もしているため、町全体の見守りが可能になります」