カーグラフィックの公式動画チャンネル「CGオンエア」です。今回は日本自動車研究所(JARI)で実施したポルシェ911 GT3の動力性能計測試験のもようをご覧いただきます。
今回の計測ですが、車両はポルシェの992型911のGT3。4ℓの水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載しています。動力性能のメーカー公表値は、発進加速が0-100km/h:3.4秒で、最高速度が318km/h。JARIでの超高性能車の計測経験が豊富な加藤哲也が担当します。
注目の結果は? より詳細なデータはカーグラフィック本誌に掲載しましたので、ぜひ併せてご覧ください。
《おことわり》
動画内ではテストコースの直線部分で車速を約300km/hまで試す場面が出てきますが、通常は安全上の理由から、計測は250km/hまでしか行っていません。また、テストは難燃性素材を用いたドライビンググローブを着用して行っていますが、ドライバー自身が機材を手で操作しなくてはならない関係上、テスト内容によっては着用しない場合もあります。
《主要諸元》
ポルシェ911 GT3
全長×全幅×全高:4573×1852×1279mm|ホイールベース:2457mm|車重:1435(DIN)kg|駆動方式:RWD|エンジン:3996cc 水平対向6気筒 DOHC|最高出力:510ps/8400rpm|最大トルク:470Nm/6100rpm|ギアボックス:7段PDK|サスペンション:前ダブルウィッシュボーン、後マルチリンク|タイヤサイズ:前255/35ZR20、後315/30ZR21|動力性能 0-100km/h:3.4秒、最高速度:318km/h|車両価格:2296万円
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《JARI計測とは?》
小誌は自動車の試乗記において、ドライバーの感覚による官能評価にとどまることなく、機材を用いた定量的な評価を当初から志向してきました。「C/Gロードテスト」と呼び、1962年の創刊以来、東村山テストコース(通産省機械技術研究所東村山分室。現東村山中央公園)で動力性能テストを行ってきました。
しかし、1968年9月号(通巻80号)でマツダ・ロータリークーペを購入し、長期実用テストを実施するにあたり、計測内容を一新し、テストコースも茨城県谷田部町(現つくば市)にあったより大規模なJARIに切り換えました。これが今にいたる小誌のJARI動力性能計測試験の始まりです。
《機材を替えながら》
「C/Gテスト・グループでは長年の研究の結果、英国のオートカー誌のシステムがわれわれの目的に最も適しているという結論に達した」(本誌より抜粋)ことから、必要な機材の多くを英国から輸入しました。また、国内製で間に合うものは、特に注文して製作したと聞いています。具体的には、二輪車用の大径車輪を用いた電気式計測計(通称:第5輪)を車体の後部に取り付け、これに光電管を併用するという計測方法をとっていました。
それ以後、技術の進化にともない、計測機器も進化してきました。光学式車速センサーを経て、現在はGPSを用いた、より軽量で小型な機材を使用しています。
GPS式に移行した際、計測人員も主に安全上の理由から2人から1人に減員しました。これにより長年蓄積してきた計測データ(アーカイブ)との間に不整合の問題が生じました。そのため、本誌巻末のテストデータでは、1人乗車で計測したものについてはカッコでくくり、区別しています。
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