“事実上の増税”とも指摘されるインボイス制度について、来月の制度開始を前に、弁護士・税理士・司法書士の団体が合同で会見を行い、制度の廃止を求めました。 会見を行ったのは、全国青年税理士連盟、全国青年司法書士協議会、青年法律家協会弁護士学者合同部会の3団体です。各団体は、それぞれの立場から、インボイス制度が、消費税の納税が免除されてきた零細事業者やフリーランスだけでなく、一般の国民生活にも影響を及ぼすとして、制度の廃止を訴えました。 全国青年税理士連盟山田隆一前会長：「実感として想像以上に見えない事務コストがかかる点を痛感しています。」 「多くの人々がインボイス制度は一般の国民には影響がなく、主に事業者だけが影響を受けると考えているようですが、それは事実ではありません。免税事業者にとっての消費税部分は売上価格を構成していました。インボイス制度の導入によって、そこに納税が必要になると、納税負担は売上価格に転換せざるを得なくなり、物価が上昇すると考えられています」 全国青年司法書士協議会荘原直輝会長： 「実際に電気料金については、インボイス制度の導入により、電力会社などに生じる損失を一般家庭の電気料金の値上げで賄う方針が資源エネルギー庁から示されています。また「建交労軽貨物ユニオン」は2024年にトラックドライバーの時間外労働時間が制限されるいわゆる「物流の2024年問題」が控える中、インボイス制度が開始すれば、当該問題に加えて、ドライバーの廃業が相次ぎ、物流が大混乱に陥るおそれを指摘しています。当然、運送費の上昇につながることが予想されますし、ひいては販売価格にも影響を与えるでしょう。こうした状況で物価高に拍車をかけさらなる生活苦を引き起こしかねないインボイス制度の導入は、到底容認できるものではありません。」 青年法律家協会弁護士学者合同部会議長笹山尚人弁護士：「インボイス制度は貧困と格差を拡大する消費税制度の根源的問題を一層拡大強化するものに他ならない、ひいてはこれは健康で文化的な生活を保障した日本国憲法第２５条の精神にも大きく反するものであると言わざるを得ない生存権的な観点で考えてみたときに、インボイス制度は、そこに関与する皆さん、物価高に基づく全国民的な影響ということも含めて、多くの生存権を侵害するもので大いに危惧される、私たち弁護士は、生存権の現場に立つ法律実務家としてこういったことを絶対に許すわけにはいかない、そういう観点でインボイス制度の廃止ということを掲げさせていただきました」