東京・練馬区で2歳ぐらいの女の子が、母親が運転する車の窓に首を挟まれて死亡しました。警視庁が詳しいいきさつを調べています。
5月21日午前11時ごろ、東京消防庁に「子どもが車の窓に首を挟まれて抜けない」と119番通報がありました。警視庁によりますと、30代の母親が2歳ぐらいの娘を後部座席に乗せて車を運転中、練馬区石神井町の路上で娘の様子を確認したところ、車の窓に首を挟まれていたということです。
目撃者「車が止まっていて、お母さんが警察か救急に電話して『子どもが挟まっちゃった』って言っているのは聞こえた」
女の子は意識不明の状態で病院に搬送されましたが、およそ1時間後に死亡が確認されました。警視庁が母親から当時の状況について聴くなどして、詳しいいきさつを調べています。
<車の窓に挟まる事故 子どもを守る方法は?>
子どもが車の窓に挟まる事故はこれまでにも多く起きています。
東京消防庁や消費者庁によりますと「駐車時にチャイルドシートに座っていた子どもが窓から顔を出しているのに気付かないまま閉めてしまった」(3歳)▽「子どもが自分で操作し、指を挟んでしまった」(1歳)といった事例もあります。指を挟む事故では、切断してしまった事故も起きています。そして、閉めるだけでなく「窓を開けた際、窓ガラスとドアの隙間に子どもの右手が引き込まれた」(7歳)という事故も発生しています。小学生ぐらいの子どもでも事故が起きています。
こうした事故の多くが「パワーウインドー」で起きています。どれほどの力があるのかJAF=日本自動車連盟が行った実験があります。「閉まりかけた窓を手で止められるのか?」という実験ですが、窓が閉まる力は大体25キロから35キロの物を持ち上げる力があるということです。この力で閉まる窓を8歳男児・30代女性・50代男性が両手と片手でそれぞれ止められるか実験したところ、50代男性だけが片手でも止めることができました。ただ、止めるのが精いっぱいで、下げることはできなかったということです。
東京消防庁や消費者庁などは事故を防ぐポイントとして、ロック機能を必ず使う▽窓を閉める際は子どもに「閉めるよ」や「近づかないで」など声をかけて確認しながら操作すること▽車の構造上の特性を把握することも必要だとしています。車種によっては「挟まり防止機能」が付いたものがありますが、閉め切る直前などは挟み込んでいることを感知しないこともあるということです。防止機能があるからといって、過信することがないよう注意をしてください。
これから梅雨の時期に入り、送迎などで子どもが車に乗る機会が増えてきます。改めて事故防止を心がけたいものです。