今年は猛暑からいきなり冬になり、秋らしさが感じられませんでした。しかも、秋の味覚のサンマが近年ずっと不漁続きで、脂ののった塩焼きには久しくご無沙汰という人も多いでしょう。日本の魚消費量は右肩下がりですが、じつは「安くて美味しく大量にとれる魚が、食用にされていない」という現実が『美味しいサンマはなぜ消えたのか?』 (https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166614370?utm_source=podcast&utm_medium=link&utm_content=podcast) からは見えてきます。流通に乗りにくいという理由だけで、肥料や飼料にされているのです。しかも、漁業資源の管理はザルそのもの。サンマなどは実際の漁獲高よりもはるかに高い「規制」が設定され、規制の意味をなしていません。さらには、パワハラなどで若い世代が漁業に定着せず、産業そのものが衰えつつあります。日本の魚食大国としての文化を次世代に受け継ぐために何が必要なのか? 著者の川本大吾さんと考えます。(聞き手:織田甫・文春新書編集部)