英語版(English)https://youtu.be/dg6ANmKcWg8
上川陽子外務大臣会見記録(要旨)
《令和6年5月10日(金) 15:57~16:15 於:本省会見室》
【主な項目】冒頭発言:TICAD事務局設置・ロゴの公募
【質疑応答】
◯ロシアによるウクライナ侵略、北方領土問題
◯プーチン大統領就任式演説(戦略部隊)
◯イスラエル・パレスチナ情勢(米国による弾薬輸送停止)
◯ウクライナの平和に関するサミット
◯イスラエル・パレスチナ情勢(ラファハへの攻撃、パレスチナの国家承認)
◯静岡県知事選
◯日本への原爆投下に関する米国での発言
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◯冒頭発言:TICAD事務局設置・ロゴの公募
【上川外務大臣】先般、アフリカの多様性を体現する3か国、具体的には、マダガスカル、コートジボワール、ナイジェリアを訪問しました。
今回の訪問で印象的だったのは、街から感じるエネルギー、特に、多くの子供や若者の笑顔です。アフリカが持つダイナミズムやポテンシャル、日本に対する強い期待を肌で感じました。
女性を含む日本の若者が、既にアフリカで新たなビジネスや課題に挑戦している姿を見ることができたのは、うれしい驚きでした。
また、アフリカでは、連結性強化が課題となっていることから、訪問を通じて地域のハブとなる拠点作りを意識しました。3か国で、大学・病院・港湾・図書館の関係者と議論する中で、多くのすばらしい取組を、「点」のレベルにとどめず、「面」のレベルに展開していく必要性を感じました。
こうした考えを含め、本年8月のTICAD閣僚会合、更には来年のTICAD9に向け、具体的な準備を進めるため、従来よりも少し早く、来週、外務省内にTICAD事務局を立ち上げます。
今後、TICADプロセスを通じて、アフリカ経済のダイナミズムを日本に取り組むとともに、アフリカの経済成長及び平和と安定を実現する方策を、アフリカとともに創り上げる、「共創」をしていく考えであります。
なお、TICAD9につきましては、現在ロゴマークを公募しております。応募締め切りは、6月7日金曜日となっておりますので、皆様奮って応募いただければと思います。
私(上川大臣)からは以上です。
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◯ロシアによるウクライナ侵略、北方領土問題
【北海道新聞 今井記者】ロシアの関係で伺います。7日に就任式が行われ、プーチン大統領の5期目がスタートしました。ウクライナ侵略を続けるプーチン政権は、西側との対決姿勢を鮮明にしております。ウクライナの平和の実現のため、日本として果たしていきたい役割を教えてください。
また、北方領土問題についてもお伺いします。領土問題の解決のため、どのような姿勢で対露外交に臨むお考えでしょうか。北方領土の元島民の平均年齢は、現在90歳近く、時間がありません。どのような形で、いつまでに領土問題を解決したいか、具体的に教えてください。
【上川外務大臣】まず、一点目、ロシアによるウクライナ侵略でありますが、この国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であります。引き続き、我が国は、一日も早く、ウクライナの公正かつ永続的な平和を実現するべく、G7を始めとする国際社会と連携をし、厳しい対露制裁を講じるとともに、強力なウクライナ支援にしっかり取り組んでまいります。
北方領土問題に関してということでありますが、ロシアによるウクライナ侵略によりまして日露関係は厳しい状況にあり、残念ながら、現在、平和条約交渉について、何か具体的に申し上げられる状況にはありませんが、政府といたしましては、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持してまいりたいというふうに考えております。
元島民の方の平均年齢が90歳近くになる中におきまして、問題の解決のために全力を尽くしてまいりたいと考えております。
◯プーチン大統領就任式演説(戦略部隊)
【共同通信 西山記者】同じくロシアのプーチン大統領の、対ドイツ戦勝79年を祝う式典に関してですが、プーチン大統領の演説の中で、「戦略部隊は常に戦闘準備ができている」と述べ、核戦力の核戦略部隊の存在を誇示しました。ウクライナ侵攻が続く中での発言でありますが、外務省としての受け止めを教えてください。
【上川外務大臣】5月9日に実施されました「大祖国戦争勝利79周年記念軍事パレード」に際する演説におきまして、プーチン大統領は、ロシアの戦略部隊は常に戦闘準備状態にある旨述べたと承知しております。
これまでもロシアが、ウクライナ侵略の文脈において、核兵器の使用を示唆するような発言を繰り返してきていることは、極めて憂慮すべきと考えております。
我が国は、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核の威嚇、ましてやその使用はあってはならないと考えております。こうした日本の立場につきましては、ロシア側に機会あるごとに伝えるとともに、国際社会に対しても訴えてきておりまして、こうした取組を今後も続けてまいりたいと考えております。
◯イスラエル・パレスチナ情勢(米国による弾薬輸送停止)
【NHK 五十嵐記者】中東情勢の関連で伺います。米国のオースティン国防長官は、イスラエルへの弾薬の輸送を一部停止した旨明らかにしました。米国は、イスラエルによるガザ地区南部ラファハへの、大規模な地上作戦を支持しない立場を示していて、イスラエルに対し、慎重な対応を促す狙いもあるとみられています。受け止めや、日本政府の対応を伺います。
【上川外務大臣】第三国間のやり取りの一つ一つにコメントすることは、差し控えさせていただきます。
いずれにせよ、我が国としては、さきのG7外相会合においても一致したとおり、ラファハへの全面的な軍事作戦には反対であり、人道支援活動が可能な環境が持続的に確保され、また、人質の解放が実現するよう、即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながることを強く期待しています。我が国といたしましても、事態の沈静化に向け、引き続き、あらゆる外交努力を行ってまいります。
◯ウクライナの平和に関するサミット
【毎日新聞 森口記者】岸田首相が、G7サミット後にスイスで行われる「ウクライナの平和に関するサミット」に参加する方向で調整していることが分かりました。岸田首相が直接平和サミットに参加する意義と、日本として、どのように議論に参加して、どのような成果を望むかを教えてください。
【上川外務大臣】今月の2日、アムヘルト・スイス大統領は、6月15日、16日に、スイス・ルツェルン近郊のビュルゲンシュトックにおきまして、「ウクライナの平和に関するサミット」を開催する旨発表したと承知しております。
同サミットへの日本政府からの出席者については決まっておりません。
同サミットにつきましては、公正かつ永続的な平和の実現に向けたウクライナの取組を、国際社会が支持する姿を示すために重要な会議であると認識しており、我が国といたしましては、各国と連携をしながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◯イスラエル・パレスチナ情勢(ラファハへの攻撃、パレスチナの国家承認)
【アナドル通信社 メルジャン・フルカン記者】中東の危機について質問したいと思います。イスラエルは、ラファハ市への攻撃を拡大しており、米国はイスラエルのラファハ市への地上攻撃を開始した場合、イスラエルの武器支援を全て打ち切る可能性があると発表しました。イスラエルのラファハへの攻撃を防ぐために、日本政府は何ができるでしょうか。ガザ地区のこうした状況に関する日本政府の最新の立場を説明していただけますか。さらに、パレスチナと外交関係を樹立する国の数も増加しています。日本政府は、パレスチナを国家として承認する新たな一歩を踏み出すつもりですか。お願いします。
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(続きの文字情報は、https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaikenit_000001_00020.html をご確認ください。文字情報として全文記載しています。)
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