「由布院」と「武雄」の2つの名湯のお湯を楽しめる福岡市博多区の温泉施設「博多由布院・武雄温泉万葉の湯」が28日で23年の歴史に幕を下ろします。
最後の営業日には、別れを惜しむ常連客など多くの人が訪れています。
由布院と武雄の源泉からタンクローリーで温泉水
利用客
「きょう閉館、すごくショック」「週5ぐらい来ています。さみしいですよね、どこか探さないと」福岡空港から車で5分。福岡市博多区にある温泉施設「博多由布院・武雄温泉万葉の湯」です。毎日、大分県由布市と佐賀県武雄市の源泉からタンクローリーで温泉水を運び、大浴場では由布院温泉と武雄温泉の2つの名湯を楽しめるほか、サウナや岩盤浴も充実しています。無料で使えるリラックスルームや2万30000冊のマンガを揃えた休憩室、それに食事処・カラオケルームなど多彩な設備があり、24時間営業で日帰りでも宿泊でも利用できます。
常連客から閉館惜しむ声
RKB 三浦良介 記者
「開業から23年、博多区にある『万葉の湯』はきょう8月28日をもって閉館します。営業最終日は朝から、別れを惜しむ常連客など多くの人でにぎわっています」利用客
「悲しいですね。お湯の質が一番良いと思うので、本当に名残惜しいですね。なんとかまた復活してほしいですけどね」「サウナが好きでね。リコランドの後、それからもうずっと若い時から」
前身は「リコランド」
「万葉の湯」の前身は、プールなども備えた健康センター「リコランド」。神奈川県に本社を置く「万葉倶楽部」が温泉施設にリニューアルして、2001年7月に開業しました。天神や博多駅から無料のシャトルバスが1時間おきに運行され、「手軽に有名温泉のお湯を楽しめ場所」として年間およそ30万人が訪れていました。
老朽化と費用高騰で建て替え断念
ただ、開業から23年が経過して建物や設備が劣化したため、運営会社は建て替えを含めた大規模工事を検討していました。
しかし、建設コストの高騰をはじめ、人件費や仕入材料費の上昇、さらには人材の採用難などで今後の経営環境が厳しくなることが予想されたため、施設の売却を決断したということです。利用客
「閉館ということで、最後の温泉を楽しみに来ました。食事もおいしい、ビュッフェがあって。また復活してください」「小さい子からお年寄りまで利用できる。他にこういう施設ってないじゃないですか、博多とかこの近くで。だからそういう施設がまた出来たらいいなと思っているんですけど」
不動産関係者などによりますと、売却先は、パチンコ店やゴルフ場、フィットネスジムなどを手がけるレジャー・アミューズメント企業の「ユーコーラッキーグループ」で、10月にも工事がはじまる見込みです。
減少続く公衆浴場
厚生労働省の調査によりますと、1995年には全国におよそ10万あった公衆浴場ですが、27年後の2022年はおよそ2万3000施設と、急激に減少しています。
おととし以降に福岡市内で閉館した主な温浴施設です。
一方で、福岡市内におととし以降にオープン、またはリニューアルした温浴施設はこちら。サウナ施設が多くなっています。先月リニューアルした早良区の「ふくの湯」もサウナを強化しました。
サウナブームの中でもコスト高騰が負担に
温浴施設コンサルタント「楽楽ホールディングス」の太田広さんは人気温浴施設の閉館が増えている理由について次のように話しています。・サウナブームの利用者は20代~30代が大半。
・コロナ禍で高齢者が大型温浴施設を敬遠したこともあり老朽化した施設は
若い世代向け・サウナが充実した施設にリニューアルが求められている。・しかし、お湯を沸かしたり、サウナを温めたりする重油・電気・ガスなどの
コストが高騰し、
これらの価格が少し上がるだけで月100~300万円の負担増になる。
・そのため施設維持を断念するケースが増えている。
詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkb/1388052