今月4日、福山市のクリニックに軽自動車が突っ込んだ事故から11日で1週間です。警察の調べでは高齢ドライバーの「操作ミス」が原因とみられています。
増加する高齢者の事故を防ぐ対策を専門家に聞きました。
1週間前、福山市のクリニックで軽自動車が待合室に突っ込み、4人がケガをしました。
運転をしていた80代の男性は、警察の調べに対し、「駐車しようとしたところギアを入れ間違えた」と話したということです。
こうした、高齢者の「操作ミス」による事故は、広島県内で毎年のように起こっています。
2021年には竹原市のショッピングセンター駐車場で軽ワゴン車を運転していた80代男性が歩行者2人をはねました。
また、おととしにも福山市のサービスエリアで、乗用車を運転していた80代男性が歩行者2人をはねる事故がありました。
この二つの事故はアクセルとブレーキの踏み間違えが原因とみられています。
高齢者の操作ミスはいったいナゼ起きてしまうのか。
福山大学で交通事故などを研究する関根康史准教授は高齢者によるペダルの踏み間違えは加齢にともなう筋力の低下が一つの原因だと指摘します。
【福山大学 工学部 電気電子工学科・関根康史 准教授】
「高齢者の場合は若い人に比べると歩行能力が落ちてくる。プロのドライバーがやっているように、かかとをフロアにつけてペダル操作をすることが大切」
また、ギアの入れ間違いを防ぐためには、年齢に関係なく、ある習慣づけが重要だと呼びかけます。
【福山大学 工学部 電気電子工学科・関根康史 准教授】
「特にバックするときには、ギアが『R』に入っていることを確認してからバックに入る。そういう習慣をつけると事故は起こしにくくなる」
後を絶たない車の操作ミスによる事故。少しでもミスを減らす工夫が必要です。
<スタジオ>
ここからはゲンバ推しのコーナー取材を担当した向井記者です。
事故を防ぐには足を置く位置がポイントということでしたが…
【向井記者】
「通常、教習所ではブレーキを踏むときには一度足を上げて踏むように教えているのですが、高齢者の場合、足の筋力が低下しているため一度足を上げる踏み方だと踏み間違いの恐れがあるということなんです。
関根准教授によると、運転するときは、ブレーキペダルの前に足を置き、かかとをつけた状態で踏むことが大切だということなんです」
私も運転するときはそうしますが確かに安定しますよね。
【向井記者】
「かかとは内側に動かすよりも、外側へ動かすほうが動かしやすく、ブレーキペダルの前に置いたほうが、安全ということなんです。自動車の性能を確かめるテストドライバーも、この方法をとっているということなんです」
安定するだけでなく、足首の可動域も関係しているということなんですね。
【向井記者】
「はい、私も初めて知り驚きました。かかとの位置を意識するだけで、運転操作ミスによる事故を防ぐことにつながります。ぜひ意識して運転してください」
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