電気代の高騰やオンラインゲームの普及で苦境のゲームセンター。名古屋の大須には「ゲーセン文化」を残そうと奮闘する人たちがいます。
名古屋・大須にある「名古屋ガロスペスタジアム」。
5周年を迎えた店内に並んでいるのはすべて、同じアーケードゲーム機です。
1993年に登場した格闘ゲーム「餓狼伝説SPECIAL」。
ファンの間で「ガロスペ」の愛称で親しまれ、今も大会が開かれるほど、根強い人気を誇っています。
来年には、26年ぶりに新作がリリースされる「餓狼伝説」。
店長も、このゲームをこよなく愛する1人です。
Q.なぜ「ガロスペ」だけの店を
「シンプルに言うと『ガロスペ』を好きな人が周りにたくさんいたから。すぐ近くに別のゲームセンターがあったが、そこはなくなってしまった」(名古屋ガロスペスタジアム 店長)
閉店や、ゲーム機の入れ替えなどで「ガロスペ」を楽しめる店が徐々に減っていく中、“仲間が集まれる場所を残したい”という思いで、店をオープンしました。
「(コロナ禍で)休業にもなったし、時短営業も尾を引いた。当然お客さんも来にくい時期だった」(店長)
全国や海外からもファンが
オープンの翌年から、コロナ禍に直面しましたが、ガロスペを愛する「名古屋餓狼会」のメンバーに支えられ、店の営業を続けてきました。
「店長さんがいろいろ考えてガロスペの灯を消さないようにしてくれて、このガロスペスタジアムができあがった。一番の恩返しはゲーセンに来て、お金を出して、ゲームをすること。守っていかないといけない場所だと思う」(名古屋餓狼会のメンバー)
今では、全国からファンが駆けつけ、海外からの来店客もいるそうです。
「(皆さん)強いので、武者修行も含めて遊びに来ている」(40代 石川県から)
「社会人になっても、友だちのような知り合いができるのは良い場だと思う」(40代 豊川市から)
「お店を大きくしようとかは考えていなくて、どこまで維持できるかなと。一応、10年を目指しています」(店長)
ゲームへの熱い思いや、プレイヤー同士の絆が“令和のゲーセン”に新たな風を吹き込もうとしています。